【40代のPMS】イライラ・落ち込みは漢方で体質改善!プレ更年期との違いと自分に合う漢方薬の選び方

「40代になってから、生理前のイライラや気分の落ち込みがひどくなった…」
「これってPMS?それとも更年期の始まりなの?」
上記のようなお悩みをお持ちではありませんか。
仕事や家庭で忙しい毎日を送る中で、毎月やってくる心身の不調は本当に辛いものです。
特に40代は女性ホルモンが大きく変化する時期であり、PMSの症状がこれまでと変わったり、重くなったりすることも少なくありません。
この記事では、40代特有のPMSの原因をプレ更年期との関係から分かりやすく解説します。
さらに、身体に優しく体質から根本的に改善を目指せる「漢方薬」に焦点を当てます。
自分の症状や体質に合った漢方薬の選び方から、費用や副作用の疑問まで、丁寧にご紹介します。
このブログを読めば、長年の悩みだったPMSとの新しい付き合い方が見つかるはずです。
なぜ?40代でPMSが悪化する理由|プレ更年期との関係
40代に入り、これまでのPMSとは違う症状や、より重い不調を感じる女性は少なくありません。
その背景には、女性のライフステージにおける大きな身体の変化が関係しています。
これまでとは違う不調に戸惑うかもしれませんが、それは多くの40代女性が経験することです。
まずはご自身の身体に何が起きているのかを正しく理解することから始めましょう。
「プレ更年期」がPMSの症状を複雑にする
40代は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し始める「プレ更年期」と呼ばれる時期にあたります。
このホルモンバランスの急激な変動は、自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。
その結果、従来のPMS症状が悪化するだけでなく、更年期特有の症状も現れ始めます。
例えば、ほてりやのぼせ(ホットフラッシュ)、急な発汗、倦怠感、不眠といった症状です。
これらの症状がPMSの時期に重なって現れることで、不調の原因がPMSなのか更年期なのか分かりにくくなり、対処が難しくなるのです。
これってどっち?PMSと更年期症状を見分ける2つのポイント
ご自身の不調がPMSなのか、それとも更年期症状なのか、気になる方も多いでしょう。
セルフチェックの目安として2つのポイントがあります。
- 症状に周期性があるか 月経前症候群(pms)
PMSの最も大きな特徴は、月経周期に連動していることです。
生理が始まると症状が軽くなる、あるいは嘘のように消える場合はPMSの可能性が高いです。主な症状は、イライラ、気分の落ち込み、乳房の張り、下腹部痛、むくみ、眠気など。 - 症状が持続的に続くか 更年期症状
一方、更年期症状は生理周期とは関係なく、不調がだらだらと続く傾向にあります。主な症状は、ほてり、のぼせ、発汗、動悸、めまい、肩こり、疲労感、不眠、不安感などです。もちろん、40代では両者が混在することもありますが、まずは症状が現れるタイミングを記録してみるのがおすすめです。
漢方が40代の心と体のアンバランスに効く仕組み
漢方薬と聞くと、「何となく身体に良さそうだけど、どうして効くのかよく分からない」と感じる方も多いかもしれません。
漢方医学は、西洋医学とは異なる視点で心と身体を捉えます。
それは、特定の症状だけを抑えるのではなく、不調の根本原因である身体全体のバランスの乱れを整えるという考え方です。
まるで、優秀な指揮者がオーケストラの各楽器の音を調和させ、美しいハーモニーを奏でるように、心と身体の調和を取り戻すことを目指します。
不調の原因はバランスの乱れ|漢方の「気・血・水」とは?
漢方では、私たちの身体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で構成されていると考えられています。
これらが体内をスムーズに巡り、バランスが取れている状態が「健康」です。
PMSのさまざまな症状は、この3つのバランスが崩れることで引き起こされると考えられています。
『気』:気滞(きたい)、気虚(ききょ)
『血』:瘀血(おけつ)、血虚(けきょ)
『水』:水滞(すいたい)
40代のPMSでは、これらの乱れが単独ではなく、複数絡み合って複雑な症状を引き起こすことが特徴です。
ホルモン変化と自律神経を整える「肝」の役割
漢方には「五臓」という考え方があり、その一つに「肝(かん)」があります。
これは西洋医学でいう肝臓(Liver)とは少し異なり、身体の様々な機能を調整する司令塔のような役割を担っています。
特に「肝」は、「気」の流れをスムーズにコントロールし、感情の安定や自律神経のバランスを保つ上で非常に重要です。
40代になり女性ホルモンが減少すると、この「肝」の機能が乱れやすくなります。
その結果、「気」の巡りが滞り(気滞)、イライラや気分の落ち込みといった精神症状が強く現れるのです。
漢方治療は、この「肝」の働きを整え、「気・血・水」のバランスを正常に戻すことで、PMSの根本的な原因にアプローチします。
【症状・体質別】40代のPMSにおすすめの漢方薬7選
漢方薬の大きな特徴は、同じPMSという診断でも、その人の体質や症状によって処方が異なる「オーダーメイド」である点です。
ここでは、40代のPMSに悩む女性によく見られる症状や体質のタイプ別に、代表的な漢方薬をご紹介します。
ご自身の状態と照らし合わせながら、どの漢方薬が合いそうかチェックしてみてください。
ここで紹介する漢方薬の多くは、医師の処方により保険適用となります。
まずは自分のタイプをチェック!30秒でできる漢方体質診断
ご自身の症状や体質に最も近いタイプを見つけるために、簡単なセルフチェックをしてみましょう。
以下の項目で、最も当てはまるものが多いのはどのタイプですか?
タイプ① 気滞・瘀血(きたい・おけつ)タイプ
- 生理前に特にイライラしやすく、人に当たりたくなる
- 気分の浮き沈みが激しい
- 胸や脇腹が張って苦しいことがある
- 顔がのぼせたり、ほてったりする
- 肩こりや頭痛がひどい
- 生理痛が重く、経血に塊が混じることがある
タイプ② 気虚・血虚(ききょ・けっきょ)タイプ
- とにかく疲れやすく、身体がだるい
- やる気が出ず、気分が落ち込みやすい
- めまいや立ちくらみがする
- 顔色が悪く、貧血気味だと言われる
- 手足が冷えやすい
- 抜け毛や肌の乾燥が気になる
タイプ③ 水滞(すいたい)タイプ
- 生理前に身体がむくみやすい(特に下半身)
- 身体が重だるく感じる
- 頭が重い、頭痛がする
- めまいや吐き気がある
- 天候が悪いと体調が悪化しやすい
- 乗り物酔いをしやすい
タイプ① イライラ・不安・のぼせが辛い「気滞・瘀血」タイプ
このタイプは、精神的なエネルギーである「気」と、栄養を運ぶ「血」の巡りが滞っている状態です。
感情のコントロールが難しくなり、熱が上半身にこもるような症状が出やすいのが特徴です。
加味逍遥散(かみしょうようさん):自律神経を整える万能薬
イライラや不安感、気分の落ち込み、不眠など、PMSの精神症状に幅広く用いられる代表的な漢方薬です。
滞った「気」の巡りをスムーズにし、こもった熱を冷ますことで、高ぶった神経を鎮め、心身のバランスを整えます。
複数の精神症状を併せ持つ方や、何から試せばよいか分からない場合の第一選択薬となることも多いです。
主な適応症状(精神) | イライラ、不安感、抑うつ、不眠 |
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主な適応症状(身体) | のぼせ、ほてり、肩こり、頭痛、疲労感 |
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせや生理痛が強い方に
イライラに加えて、顔ののぼせや足の冷え(冷えのぼせ)、肩こり、重い生理痛など、「血」の滞りである「瘀血(おけつ)」の症状が目立つ方におすすめです。
滞った血行を促進し、熱のバランスを整えることで、身体的な不調と精神的な興奮の両方を和らげます。
主な適応症状(精神) | イライラ、怒りっぽい |
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主な適応症状(身体) | のぼせ、肩こり、頭痛、生理痛、下腹部痛 |
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):神経の高ぶり・不眠に
特に「怒り」の感情が強く、我慢できないほどのイライラや神経の高ぶり、歯ぎしり、不眠に悩む方に用いられます。
「肝」の高ぶりを鎮める働きが強く、精神を安定させます。
また、胃腸の働きを助ける生薬も含まれているため、ストレスで胃腸の調子を崩しやすい方にも適しています。
主な適応症状(精神) | イライラ、不眠、神経の高ぶり、精神不安 |
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主な適応症状(身体) | 胃腸の不調を伴う精神症状 |
タイプ② 落ち込み・疲労感・冷えが辛い「気虚・血虚」タイプ
このタイプは、生命エネルギーである「気」と、身体の栄養源である「血」が不足している状態です。
全体的にエネルギーが足りず、心身ともに疲れ切ってしまっているのが特徴です。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え性でむくみやすい方に
「女性の聖薬」とも呼ばれ、婦人科系の不調に広く用いられる漢方薬です。
身体を温めて血行を促進し、不足した「血」を補うとともに、余分な「水」の排出を助けます。
そのため、冷え性で疲れやすく、貧血気味で、さらにむくみにも悩んでいる方に特に適しています。
主な適応症状(精神) | 精神不安 |
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主な適応症状(身体) | 冷え、むくみ、貧血傾向、めまい、頭痛、肩こり |
補中益気湯(ほちゅうえっきとう):とにかく疲れやすい・気力がない方に
「元気の気を補う」代表的な漢方薬で、「気」が不足した「気虚」の状態を改善します。
PMS期に特に強い疲労感や倦怠感に襲われ、何もする気力が湧かない、食欲がないといった症状に効果的です。
胃腸の働きを高めてエネルギーを生み出す力をサポートし、心身の活力を取り戻します。
主な適応症状(精神) | 気力低下、集中力低下 |
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主な適応症状(身体) | 疲労感、倦怠感、食欲不振、微熱 |
タイプ③ むくみ・めまい・頭痛が辛い「水滞」タイプ
このタイプは、体内の水分代謝が悪くなり、余分な「水」が溜まってしまっている状態です。
身体が重だるく、水に関わる不調が出やすいのが特徴です。
五苓散(ごれいさん):乗り物酔いのような吐き気や頭痛に
体内の水分バランスを調整する働きに優れた漢方薬です。
PMS期のつらいむくみはもちろん、めまいや頭重感、吐き気といった症状に効果を発揮します。
特に、雨の日など天候によって体調が悪化しやすい方におすすめです。
主な適応症状(精神) | 気分の落ち込み |
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主な適応症状(身体) | むくみ、めまい、頭痛、吐き気 |
漢方を始めたい!処方・費用・期間の疑問を解消Q&A
自分に合いそうな漢方薬が見つかったら、次に気になるのは「どうやって始めたらいいの?」ということでしょう。
ここでは、漢方治療を始めるにあたって多くの方が抱く、処方場所、費用、効果が出るまでの期間、副作用といった具体的な疑問にQ&A形式でお答えします。
安心して一歩を踏み出すための参考にしてください。
Q1. 漢方薬はどこで処方してもらえる?
漢方薬を入手する方法は、主に以下の4つです。
1.婦人科、内科など
2.漢方専門外来
3.漢方薬局
4.オンライン診療
それぞれに特徴があるため、ご自身の状況に合わせて選びましょう。
Q2. 費用はどのくらい?保険は適用される?
費用は多くの方が気になるポイントだと思います。
医師が処方する医療用漢方薬(エキス製剤)の多くは、健康保険が適用されます。
保険が適用された場合、自己負担額は3割となり、1ヶ月あたり2,000円から3,000円程度が目安です。
一方、漢方薬局で処方される煎じ薬や、ドラッグストアで購入する市販薬は保険適用外(自費)となるため、費用は高くなる傾向があります。
経済的な負担を抑えたい場合は、まずは保険診療を行っている医療機関に相談するのがおすすめです。
Q3. 効果はいつから出る?どのくらい飲み続ける?
漢方薬は、症状を一時的に抑える対症療法とは異なり、体質そのものを改善していくことを目的としています。
そのため、効果を実感するまでにはある程度の時間が必要です。
個人差はありますが、早い方では2週間から1ヶ月程度で何らかの変化を感じ始め、3ヶ月ほど継続することで効果が安定してくることが多いと言われています。
焦らず、じっくりと自分の身体と向き合いながら続けていくことが大切です。
Q4. 副作用はある?服用するときの注意点は?
「漢方薬は天然由来だから副作用がない」と思われがちですが、これは誤解です。
漢方薬も医薬品であり、体質に合わなかったり、用法用量を守らなかったりすると副作用が起こる可能性があります。
主な副作用としては、食欲不振、胃の不快感、下痢、発疹などが挙げられます。
また、ごく稀にですが、間質性肺炎や偽アルドステロン症、肝機能障害といった重篤な副作用が起こることも報告されています。
自己判断で漢方薬を選んだり、複数の種類を同時に服用したりするのは非常に危険です。
必ず医師や薬剤師などの専門家に相談し、ご自身の体質や既往歴、他に服用している薬などを正確に伝えた上で、適切な処方を受けるようにしてください。
専門サロンでのフェムケアという選択肢も
セルフケアの一環として、また専門家に悩みを相談する場として、女性特有の悩みに特化したメディカルサロンを活用するのも一つの方法です。当サロンは、名古屋にあるフェムケア専門サロン「Je gueris(ジュゲリー)」です。生理痛やPMS、更年期症状などにアプローチする「フェムケアメニュー」を提供しています。
実際に、30代の女性からは「フェムチェアー施術とメンタルサポートの指導により定期的に生理が来るようになり、生理痛も軽減された」という声も寄せられています。
また、「女性特有のデリケートな話が中々出来る場所がなくて一人で悩んでいたけど、心の不安がスッと解消され肩の荷がおりました」という40代女性の体験談もあります。
漢方薬とは異なるアプローチですが、「女性が我慢しない社会」を目指すという点では共通しています。
専門家による施術やカウンセリングは、心身ともにリラックスし、自分をいたわる時間を持つことで、PMS症状の緩和に繋がります。
まとめ:40代のPMSは一人で抱え込まず、専門家と上手に付き合おう
40代のPMSは、プレ更年期という身体の大きな転換期と重なることで、これまでにない複雑でつらい症状となって現れることがあります。
しかし、その不調はあなた一人だけが抱える問題ではありません。
このブログでご紹介したように、漢方薬は心と身体のバランスを全体的に整え、体質から根本的に改善を目指せる有効な選択肢です。
自分に合った漢方薬を見つけることで、長年悩まされてきた毎月の不調から解放される可能性も十分にあります。
最も大切なことは、一人で我慢したり、自己判断で対処したりしないことです。
適切な医療と、日々のセルフケアを上手に組み合わせることで、40代以降も健やかで自分らしい毎日を送ることができるはずです。
つらい症状を抱え込まず、専門家の力を借りて、心穏やかな日々を取り戻しましょう。

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