漢方でPMSのイライラ・眠気を改善!自分に合う薬の選び方から始め方まで徹底解説

目次

この記事でわかること

毎月やってくる生理前の不快な症状、PMS(月経前症候群)。
わけもなくイライラして仕事に集中できなかったり、強い眠気で思うように体が動かなかったり。
仕事のパフォーマンスや人間関係にまで影響が出て、つらい思いをしていませんか?

婦人科でピルを勧められたけれど、副作用が心配だったり、薬で症状を抑えるだけの対症療法に疑問を感じたりすることもあるでしょう。
そんな方が今、注目しているのが「漢方」による体質改善です。

この記事では、PMSの根本的な原因にアプローチする漢方の考え方から、ご自身の症状や体質に合った漢方薬の選び方、そして安心して治療を始めるための具体的なステップまでを分かりやすく解説します。
あなたに合った漢方を見つけて、心穏やかな毎日を取り戻すための一歩を、ここから踏み出してみましょう。

もしかして私も?まずはPMSの症状と原因を知ろう

PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる3〜10日くらい前から起こる、心と体のさまざまな不調のことです。
症状の種類や程度には個人差が大きく、200種類以上あるともいわれています。
まずは、ご自身の症状がPMSに当てはまるか確認してみましょう。

精神的な不調:イライラ、気分の落ち込み、不安感など

自分ではコントロールが難しい感情の波は、PMSの代表的な症状です。
普段なら気にならない些細なことでカッとなったり、急に涙もろくなったりすることがあります。
これらは女性ホルモンの変動が、脳内の感情をコントロールする物質に影響を与えることで起こると考えられています。

精神的な不調の例
– 感情の起伏が激しくなり、イライラする
– 急に悲しくなったり、憂うつな気分になったりする
– 何事にも集中できなくなる
– 漠然とした不安感に襲われる
– ささいなことで怒りっぽくなる

身体的な不調:つらい眠気、むくみ、頭痛、乳房の張りなど

精神的な不調だけでなく、身体に現れるつらい症状もPMSの特徴です。
特に、日中のどうしようもない眠気は、仕事のパフォーマンス低下に直結する深刻な悩みです。
これらの症状も、ホルモンバランスの乱れによる体の水分代謝や血行の変化が関係しています。

身体的な不調の例
– 日中に強い眠気を感じる
– 体がむくみ、体重が増える
– 頭痛や肩こりがひどくなる
– 下腹部や腰が痛む、重くなる
– 乳房が張って痛む
– 便秘や下痢になる
– ニキビや肌荒れが起こる

なぜPMSに漢方が効くの?西洋薬(ピル)との考え方の違い

PMS治療というと、低用量ピルなどの西洋薬を思い浮かべる方も多いかもしれません。
西洋薬が特定の症状を抑えることを得意とするのに対し、漢方は心と体のバランスの乱れそのものを整え、不調が起こりにくい体質へと導くことを目指します。

このアプローチの違いを理解することが、自分に合った治療法を選ぶ第一歩です。
それぞれのメリット・デメリットを下の表で比較してみましょう。

 漢方薬西洋薬(低用量ピルなど)
考え方心と体のバランスを整え、不調の根本原因にアプローチするホルモン変動を抑制し、特定の症状を直接抑える
アプローチ根本治療を目指す対症療法が中心
メリット– 体質改善が期待できる
– 複数の症状に同時に対応できる
– 副作用が比較的少ない
– 効果が比較的早く現れる
– 生理周期が安定する
– 避妊効果も期待できる
デメリット– 効果が出るまでに時間がかかることがある
– 体質に合わないと効果が出にくい
– 副作用(吐き気、頭痛、血栓症リスク等)の可能性がある
– 毎日服用する必要がある

漢方は、今あるつらい症状を和らげるだけでなく、PMSを繰り返さない健やかな体づくりをサポートする選択肢といえるでしょう。

【簡単セルフチェック】あなたのPMSタイプは?漢方選びの第一歩

「漢方が良さそうだけど、種類が多くてどれを選べばいいかわからない」
そんな悩みにお答えするため、まずは一般的な漢方独自の視点からご自身の体質タイプをチェックしてみましょう。
漢方では、私たちの体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で構成されていると考えます。
これらのバランスが崩れると、さまざまな不調が現れるとされています。

  • 気(き):生命活動を支える目に見えないエネルギー。元気や気力の源。
  • 血(けつ):血液とその働き。全身に栄養を運び、精神を安定させる。
  • 水(すい):血液以外の体液。体を潤し、余分な水分や老廃物を排出する。

あなたの不調がどのタイプの乱れから来ているか、チェックリストで確認してみましょう。

① 気の乱れタイプ(気滞・気虚):イライラや気分の落ち込み、疲れやすい人

ストレスや過労によって「気」の巡りが滞ったり(気滞)、不足したり(気虚)するタイプです。
PMSの精神症状に悩む方に多く見られます。

「気」の乱れ チェックリスト
□ イライラしたり、憂うつになったりする
□ 感情の浮き沈みが激しい
□ 胸や喉がつかえた感じがする
□ よくため息をつく
□ 疲れやすく、やる気が出ない

② 血の乱れタイプ(瘀血・血虚):下腹部痛や肩こり、冷え、肌荒れが気になる人

血行が悪く滞りがちな「瘀血(おけつ)」や、血が不足している「血虚(けっきょ)」のタイプです。
生理痛や冷え性など、身体的な痛みを伴う症状が特徴です。

「血」の乱れ チェックリスト
□ 生理痛が重く、レバー状の塊が出ることがある
□ 肩こりや頭痛がひどい
□ 手足が冷えやすいのに、顔はのぼせることがある
□ シミやそばかす、目の下のクマが気になる
□ 肌が乾燥し、髪にツヤがない

③ 水の乱れタイプ(水滞):むくみやめまい、眠気、体が重い人

体内の水分代謝が悪く、余分な水分が溜まっている「水滞(すいたい)」タイプです。
むくみや眠気、めまいなど、水分バランスの乱れに関連する症状が多く見られます。

「水」の乱れ チェックリスト
□ 体がむくみやすい(特に下半身)
□ 生理前に体重が増える
□ 体が重だるく、眠気が強い
□ めまいや立ちくらみがある
□ 吐き気を感じたり、お腹がチャポチャポしたりする

【症状・タイプ別】あなたにおすすめのPMS漢方薬ガイド

ご自身のタイプが把握できたら、いよいよ具体的な漢方薬を見ていきましょう。
ここでは、PMS治療でよく使われる代表的な3つの漢方薬を、タイプ別にご紹介します。

【精神的な不調に】イライラ・不安には「加味逍遙散(かみしょうようさん)」

「気」の乱れによるイライラや落ち込みが強い方におすすめの、PMS漢方の代表格です。
乱れた気の巡りを整え、不足した血を補うことで、心と体のバランスを穏やかに調整します。

加味逍遙散(かみしょうようさん) 
向いている人– イライラ、不安、落ち込みなど精神症状が強い
– 肩がこり、疲れやすく、のぼせやすい
– 体力が中程度以下の方
主な効果– 気の巡りを改善し、精神を安定させる
– 血を補い、ホルモンバランスを整える
– のぼせや肩こりを和らげる
特徴PMSだけでなく、更年期障害や自律神経失調症など、女性特有のゆらぎからくる不調に幅広く用いられます。

【身体の痛み・イライラに】生理痛やのぼせには「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」

滞った「血」の巡りを改善する力が強い漢方薬です。
生理痛や下腹部痛、肩こりなど、「瘀血」による身体的な痛みがつらい方に向いています。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 
向いている人– 生理痛が重く、下腹部に圧痛がある
– 肩こりや頭痛、めまいがある
– のぼせて足が冷える(冷えのぼせ)
– 比較的体力がある方
主な効果– 血行を促進し、滞り(瘀血)を改善する
– 下腹部痛や生理痛を和らげる
– のぼせやめまいを鎮める
特徴血の巡りを良くすることで、痛みや炎症を和らげます。子宮筋腫や子宮内膜症など、婦人科系の疾患にも応用されることがあります。

【冷え・むくみ・疲労感に】貧血気味で疲れやすいなら「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」

「血」を補い、「水」の巡りを整えることで、冷えやむくみを改善します。
体力があまりなく、貧血気味で疲れやすい方のPMS症状に適しています。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 
向いている人– 冷え性で、むくみやすい
– 疲れやすく、貧血気味である
– めまいや立ちくらみ、頭重感がある
– 体力が虚弱な方
主な効果– 血を補い、全身に栄養を行き渡らせる
– 水分代謝を整え、冷えやむくみを改善する
– 貧血に伴う諸症状を緩和する
特徴「婦人科の聖薬」とも呼ばれ、PMS以外にも妊娠中のトラブルや産後の不調など、女性の一生を通じて幅広く使われます。

漢方治療を始めたい!どこで相談・購入できる?

自分に合いそうな漢方が見つかったら、次はどうやって手に入れるかが問題です。
漢方薬は主に3つの方法で入手できます。
ご自身の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。

入手方法メリットデメリットこんな人におすすめ
① 病院で処方
 (産婦人科・心療内科)
– 専門医の診断が受けられる
– 健康保険が適用される場合がある
– 通院の手間と時間がかかる
– 医師が漢方に詳しくない場合もある
– 症状が重い、または原因がはっきりしない方
– 費用を抑えたい方
② 市販薬を購入
 (薬局・ドラッグストア)
– 薬局などで手軽に購入できる
– すぐに試すことができる
– 自己判断で選ぶ必要がある
– 保険が適用されない
– 症状が比較的軽く、試してみたい方
– 忙しくて通院する時間がない方
③ 漢方専門薬局で相談– 専門家がじっくり話を聞いてくれる
– オーダーメイドに近い処方も可能
– 保険適用外で、費用が高くなる傾向
– 近くに薬局がない場合がある
– 根本的な体質改善を本気で目指したい方
– 複数の不調を抱えている方

漢方の効果を高める!今日からできるセルフケア習慣

漢方薬で体質改善を目指すなら、日々の生活習慣を見直すことが効果アップの鍵となります。
薬だけに頼るのではなく、心と体に優しい生活を心がけることで、PMSに悩まない健やかな毎日へと近づくことができます。
今日からできる簡単なセルフケアを取り入れてみましょう。

  • 食事の工夫
    • カフェイン、アルコール、甘いもの、塩分の多い食事は控える
    • ビタミン・ミネラルが豊富な豆類、緑黄色野菜、海藻類を積極的に摂る
    • 体を温める生姜やネギなどを食事に取り入れる
  • 軽い運動を習慣に
    • ウォーキングや軽いジョギング、よもぎ蒸し(サウナ)で血行を促進する
    • ヨガやストレッチ、フェムケアで心と体の緊張をほぐす
    • 深呼吸を意識して、自律神経のバランスを整える
  • 質の良い睡眠
    • 毎日なるべく同じ時間に寝て、起きるようにする
    • 寝る前のスマートフォンやパソコン操作は控える
    • 就寝1〜2時間前に入浴し、リラックスする
  • 上手なストレスケア
    • アロマテラピーや音楽鑑賞など、自分が心地よいと感じる時間を作る
    • 頑張りすぎず、疲れたときは意識的に休息をとる
    • 信頼できる人に話を聞いてもらう

毎月のつらい不調は、決してあなたのせいではありません
漢方という選択肢を知り、自分に合ったケアを見つけることで、その悩みはきっと軽くなります
この記事が、あなたが自分自身の心と体と上手に向き合い、より快適な日々を送るためのきっかけになれば幸いです。


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